若手社員の離職を防ぐにはコミュニケーションから
企業が重宝している、若手社員。 今、若手社員の早期離職が企業の大きな課題になっています。 ここでは、早期離職してしまう理由・離職の前兆の解説や、離職を防止するための対策などをご紹介していきます。
離職防止とは
離職防止は、社員の離脱を未然に防ぐための取り組みです。従社員が退職すると、その業務は他の社員に負担をかけ、さらに新しい社員を採用・教育するためのコストが発生します。そのため、社員の退職は企業にとって大きな損失となります。
現在の人材不足の状況において、人材の確保や維持、組織への定着を高めるための「リテンション・マネジメント」が注目されています。具体的には、「働きやすい環境を整える」や「コミュニケーションを活性化する」などの取り組みが挙げられます。
目次
1.日本の平均離職率
2.新卒者の3年以内の離職率は30%超、3人に1人が辞める
3.なぜ若手社員の多くは早期離職してしまうのか
- 3-1.労働条件や評価制度への不満
- 3-2.社内のコミュニケーション不足
- 3-3.キャリアや成長の見込みが不透明
4.若手社員の離職の前兆は?
- 4-1.不満を口にしなくなった
- 4-2.新しい挑戦に消極的
- 4-3.コミュニケーションの減少
5.どうすれば離職を防止できるのか?
- 5-1.社内コミュニケーションの強化
- 5-2.成長機会の提供
- 5-3.職場環境の改善
1.日本の平均離職率
では、離職率の平均はどのぐらいでしょうか。
厚生労働省の調査によると、過去3年間の日本の平均離職率は、約14~15%です。
2.新卒者の3年以内の離職率は30%超、3人に1人が辞める
続いて、新卒採用で入社した社員の、3年以内の離職する割合を見てみましょう。その割合は、約30%となっていて、過去10年間横ばいとなっています。
3.なぜ若手社員の多くは早期離職してしまうのか
若手社員が早期に離職する理由はさまざまですが、以下の要因が挙げられます。
3-1.労働条件や評価制度への不満
過度の労働時間、有給休暇や休暇制度が不十分、低い給与水準、サービス残業などの待遇面で不満がある場合や努力や成果が評価に反映されない場合、不満から離職を考えるようになります。働き方改革が進み、ワークライフバランスを重視する風潮が広がっているため、不安定な労働環境は離職の大きな原因となります。
3-2.社内のコミュニケーション不足
社員が離職を決断するとき、通常よく考え、検討しています。つまり、突然の離職に見えても、普段からコミュニケーションを取っていれば初期段階で気付くことができる可能性が高いと言えます。また、上司や組織とうまくコミュニケーションが取れず、適切なフィードバックが得られない場合、若手社員は自身の成長や貢献を実感できずに離職を考える要因となるでしょう。
3-3.キャリアや成長の見込みが不透明
「この会社では成長できない」「自分の将来が描けない」など、若手社員が自身の成長やキャリアパスについて見通しを持てない場合、他の企業に転職する可能性が高まります。安定性を求め、長く働ける会社ではなく、スキル向上に重きを置く傾向にあるようです。
4.若手社員の離職の前兆は?
「申し訳ありませんが、〇月で退職をします。」と、突然の離職の申し出に驚くこともあると思いますが、何らかのサインを確認できるかもしれません。
4-1.不満を口にしなくなった
今まで会社への不満を口にしていた人が突然言わなくなった場合、「もう会社に関しては何を言っても無駄だ」と考え、不満を述べることをやめたと考えられます。
4-2.新しい挑戦に消極的
新規事業や新しい仕事に消極的になった人は、既に自社に貢献することを諦めて退職を考えている可能性があります。新しい業務を請け負うと、その後長期的に取り組まなければならないことも多いため、自然と消極的な態度を取るようになる傾向があります。
4-3.コミュニケーションの減少
退職を決意した人は、社内の人間関係に無関心になり、孤立しているように見えることがあります。飲み会などの社交活動が急に減少したり、突然周囲との交流が希薄になった場合は、退職の前兆かもしれません。
5.どうすれば離職を防止できるのか?
では、社員の離職を防止するためには、どんな対策をしたらいいのか、具体的に見ていきましょう。
5-1.社内コミュニケーションの強化
離職防止対策の基本は職場のコミュニケーション活性です。社員同士の相互理解や人間関係を築くことで、社員が安心して意見を述べられる環境を整え、離職の手前にある不満や不安を察知しやすくしましょう。
5-2.成長機会の提供
社員が自己成長やキャリアアップを望むことができるよう、継続的にスキルアップの機会を提供しましょう。また、キャリアパスや昇進の機会を明確に示し、社員のモチベーションを高めることで、今いる会社での将来を考えることができるでしょう。
5-3.職場環境の改善
物理的な環境改善だけではなく、ポジティブな社内文化の育成や公平で透明性のあるコミュニケーションなどの、心理的な環境の向上はもちろん、柔軟な勤務時間やリモートワークの導入、有給休暇の取得奨励などのようにワーク・ライフ・バランスを考慮した環境の整備も積極的に行っていきましょう。
HRカレッジの記事から、若手社員の離職に関する情報を一冊にまとめました。 必要な時に、必要な箇所だけを読んで、すぐにご活用いただけます。